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曲げ加工

シートの曲げ加工は、ケース側面を立ち上げる場合などに行う加工です。プラダンシートは、樹脂が詰まった、硬い筋(リブ)部分と柔らかな中空部分から構成されており、硬さにムラがあるため、狙った位置で曲げを行う事が非常に難しい素材です。また、プラダンは折り曲げに対して非常に耐性(ヒンジ耐性)がある分、折り曲げ時の反発が強く、深く折り曲げるには熱によってV字型に溝をつける、カットライン(半切り)を入れるなどの工夫が必要になります。

プロはこう加工します

プラダンシートを曲げる方法には、(1)罫線を入れる、(2)ハーフカットラインを入れる、(3)熱によってV字型に溝をつけるの3通りがあります。折り曲げの方向、精度、かけられるコスト等を加味しながら加工方法を決めています。


専用の加工機(CAM/トムソン・プレス機)を使用して、罫線(折り曲げ線)を入れて曲げる方法です。 シートのヒンジ耐性を損ねにくいというメリットがある一方、曲げがシャープでない、深く折り曲げられない等のデメリットがあります。
プラダンシートのライナーと呼ばれるポイントだけを残して、カットラインを入れて曲げる方法です。シートをシャープに曲げられる、深く折り曲げられるメリットがある一方、シートに切込みが入るため、裂けやすくなる等のデメリットがあります。弊社では強度の観点からハーフカットによる曲げ加工は筋目に対し水平方向の場合のみ採用しています。
V字型熱加工機によって、曲げたいラインに沿って熱をいれ、V字型の溝を作ります。曲げた状態で固定させることも可能です。精度が出せ、曲げのシャープさも保てる。曲げたまま固める事も可能と大きなメリットがありますが、加工コストは高くなります。

加工機がない場合の加工方法

金属へら等でシートに罫線を入れ曲げる方法

リブ(筋)に平行な曲げ加工は人力でも容易に行う事ができます。
カッター付属のツメ等の薄い金属片で中空部分をなぞって罫線を入れてください。罫線位置を中心にシートを曲げる事ができます。

リブ(筋)に水平な曲げ加工にはかなりの力が必要です。定規をしっかりとあてて、カッター付属のツメ等の薄い金属片でシートを押すようにして罫線を入れてください。

カッターでシートにハーフカットラインを入れ曲げる方法

ハーフカットラインを入れる方法を用いれば、少ない労力でシャープにシートを曲げる事が可能です。ハーフカットは表層部分を残して、カットラインを入れる方法です。一見難しそうですが、元々プラダンシートを一度で切断する事は難しいため、比較的容易に加工できます。